●ABOUT*

「改革者としてのカズとアマンダ」
無名時代に、「すげえ音を出すヤツらだ!」と感嘆させた
アーティストのライブには、いくつか過去に遭遇した。彼らはみんな、
ほどなくヒットメーカーとなり、いまもメジャーシーンを驀進している。
しかし「すげえ空間を作るな!」と私を驚かせたのは、いまのところ、
カズとアマンダのみである。
カズこと伊藤豊と、アマンダこと上砂智子のふたりのデュオは、
もともと短編演劇の登場人物としてキャリアをスタートさせた。
“劇的”フォークデュオと称されているように、彼らのスタイルは
歌と語りを組み合わせ、演劇的空間をつくりだし、その物語のなかに
観客をさまよいこませる。
梢のように線の細い美貌の容姿からは想像しがたい、アマンダの
豊かで、のびやかなボーカル。五月女ケイ子の描くイラストのよう
な陶酔の表情で、甘く激しいギターの旋律を奏でるカズ。ふたりは
ライブステージでは歌い手であり役者であり、風景をつむぎ出す
舞台装置そのものである。人生の虚無と愛の彷徨、魂の放埒を
エモーショナルな演奏で、劇空間に解き放つ。私たち観客はそこで起こる
物語に、あるときは爆笑を、次には熱い涙を、止めることができない。
カズとアマンダのキラーソングのひとつに『かけうどん』がある。
かけうどんの味気なさを朗々と歌いあげるだけの曲だが、ただの
コミックソングではない。味気のないかけうどんが人生の儚さと重なり、
実に味わい深く、侘びが効いていて、何度聴いても泣き笑える。
このようにふたりの歌にはすべて劇的フックが仕掛けられているので、
ライブに来た客は「次は何を見せてくれるんだ!」と気になってしまい、
また次のライブに足を運ぶのだ。
精力的なライブ活動を続けるうちに、口コミでコアな支持を集めている。
横浜トリエンナーレ2005参加など、ライブステージに限らない
ボーダーレスな活動で、マスコミからの注目も集めはじめた。
カズとアマンダの劇空間は、じわじわと拡大しつつある。
ロックもポップもヒップホップも、もはや死に体だ。オリジナルな
音楽なんて、もうどこからも生まれない。だけど“表現”は違う。
音楽もかつては商品じゃなく、表現の高みにあったはず。
カズとアマンダの繰り出すオリジナルの表現は、
歪に閉じかけた音楽の壁に、ズドンと穴を開けてくれるに違いない。
ロックはかつて世界史を変えた。次は劇的フォークが、私たちの
スピリッツを改革してくれるんじゃないか。
その期待はライブに足を運び、
腹筋がつるほど笑わせられるたび、確信に変わってゆく。
浅野智哉
[1973年生まれ。兵庫県出身。フリーライター。『Weeklyぴあ』『Invitation』などに
執筆中。雑誌記事のほか小説、インタビュー、ノベライズ、アニメ脚本を手がける。
近著に『竜留城の王』(集英社)]
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彼等のリアリズムは最早演劇的音楽であることから離れ、
世界を劇場化させるほどの魔術をも持ちえることだ。
ギターその他の楽器による即興
及び非即興音楽演奏家
秋山徹次
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どうやら最近はユーモアを音楽の小道具に使う人達が沢山いるらしい。
けしからん。
僕の大好きなカズとアマンダを見よ!
恐れ多しユーモアの神様に、ハハハーーーーとひれ伏しているではないか。
だからユーモアの神様はえこひいきする。
カズアマにこんな面白い音楽を与えたもうた。
果たして劇的フォークの世界とは一体。皆の者、薫陶されたし!
ノアルイズ・レコード
阿部 広野
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